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Chapter 2

デュレーションとコンベキシティ:感応度の測定

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Chapter 2. デュレーションとコンベキシティ:感応度の測定

第 1 章で金利が変化すれば債券価格が変化することを学びましたが、第 2 章では 「正確にどれほど変化するのか?」 を扱います。債券ポートフォリオを管理するためには、リスクを数値化できるツールが必要です。その核心となるツールが ==デュレーション (Duration)== と ==コンベキシティ (Convexity)== です。


1. デュレーションとは何か?(一次微分)

デュレーションは単に「満期までの残り期間」ではなく、金利変化に対する債券価格の感応度を示す指標です。

デュレーションの種類と用途

用語定義主な用途
**マコーレー・デュレーション**全てのキャッシュフローを受け取るまでの加重平均期間債券の実質的な「平均寿命」の測定
**修正デュレーション**金利の変化率に対する価格の変化率を線形的に計算日常的なリスク管理および価格予測
**実効デュレーション**コール条項などによりキャッシュフローが変化し得る債券に適用複雑な構造化債券の評価

2. 線形的な予測:デュレーションの活用

デュレーションを実戦で活用する最も一般的な数式は以下の通りです。 ==価格変動率 (%) ≈ -修正デュレーション × 金利変動幅==

1
シナリオ設定

修正デュレーションが 7.0 の債券を保有しているとする

2
金利ショック

市場金利 (YTM) が 1% (100bp) 上昇した

3
計算

デュレーションと変動幅を掛ける: 7.0 * 0.01 = 0.07

4
結果導出

債券価格は約 7.0% 下落すると予測される


3. 線を超えた曲線:コンベキシティ(二次微分)

デュレーションは金利と価格の関係を直線であると仮定します。しかし実際には曲線を描いており、この「曲がり具合」を測定したものが ==コンベキシティ (Convexity)== です。

  • コンベキシティの利点: コンベキシティが大きい債券は、金利が低下する時に価格がより大きく上昇し、金利が上昇する時に価格の下落が抑えられます。
  • 安全装置: 大規模な金利変動時、デュレーションだけでは測定できない誤差をコンベキシティが補完し、ポートフォリオを保護します。
Warning

負のコンベキシティ (Negative Convexity): MBS(住宅ローン担保証券)やコール条項付き債券のように、金利が低下した時に期限前償還される権利が含まれている場合、価格が予想ほど上がらない「負のコンベキシティ」が現れることがあり、注意が必要です。


4. 結論:リスクの精密制御

デュレーションが方向と大きさを教えてくれるなら、コンベキシティはその予測の精度を補正してくれます。これら二つの概念を理解すれば、金利が変化した時に自分の資産がいかに動くかを数学的に確信できるようになり、それを通じて ==「デュレーション・ニュートラル」== 戦略などを立てることが可能になります。


📚 セウン教授の厳選ライブラリ

  • [債券数学] - フランク・ファボッツィ: デュレーションとコンベキシティの数理的原理を解き明かす最高の教科書。
  • [債券ポートフォリオの管理]: 機関投資家がリスクヘッジのためにデュレーションをいかに活用しているかを実務的に解説しています。
  • [投資論]: 債券のパートにおいて、デュレーションと免疫化戦略を深く扱っています。