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Chapter 2

イーサリアムとスマートコントラクト:ワールド・コンピューターの誕生

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Chapter 2. イーサリアムとスマートコントラクト:ワールド・コンピューターの誕生

ビットコインが「デジタル・ゴールド」なら、 ==イーサリアムは「ワールド・コンピューター (World Computer)」== です。2015 年、ヴィタリック・ブテリンと開発者チームによって開始されたイーサリアムは、ブロックチェーン技術に「プログラム可能性」という強力なレイヤーを加えました。

これにより、単に「誰にいくら送る」だけでなく、「特定の条件が満たされたら自動的に何かを実行する」という革新が可能になりました。


1. 進化:ビットコイン vs イーサリアム

イーサリアムが前世代とどのように異なるかを理解することが重要です。

ブロックチェーンの比較: 1 世代 vs 2 世代

特徴ビットコイン (1 世代)イーサリアム (2 世代)
**主な目的**価値の保存 / 通貨プログラム可能なプラットフォーム (dApp)
**ロジック構造**制限されたスクリプトチューリング完全(無限にプログラム可能)
**ブロック生成時間**約 10 分約 12 秒
**主要資産**ビットコイン (BTC)イーサ (ETH)

2. 革新の核心:スマートコントラクト

スマートコントラクト (Smart Contract) とは、ブロックチェーン上で動作する「自動契約プログラム」のことです。 ==「コードそのものが法」== となり、契約条件が整えば仲介者なしで自動実行されます。

1
コーディング

Solidity などの言語で契約条件を記述する

2
デプロイ

記述されたコードをイーサリアム上に永久に記録する

3
トリガー

特定のイベント(入金、日付など)が契約を起動させる

4
実行

EVM が仲介者なしで自動的にロジックを実行する

5
決済

結果に応じて資金移動やデータの更新が完了する


3. エンジンルーム: EVM とガス (Gas)

どうやって世界中のコンピューターが安全にコードを実行できるのでしょうか?

  • イーサリアム・仮想マシン (EVM): 世界中の全てのノードでコードが同一に実行されることを保証する「仮想サンドボックス」です。
  • ガス (Gas): システムの過負荷や無限ループを防ぐために、全ての演算に課されたコストです。 ==「ワールド・コンピューターを動かすための燃料」== と考えると分かりやすいでしょう。
  • ETH: ガス代を支払うために使われるネットワークのネイティブ通貨です。
Warning

修正不可能なリスク: スマートコントラクトは一度デプロイされると、コードの修正が極めて困難です。そのため、バグがあれば致命的な損失に繋がる恐れがあり、事前の「セキュリティ監査」が不可欠です。


4. 結論:決済の先にある未来

イーサリアムは 分散型アプリケーション (dApps) の扉を開きました。開発者は安全な共有台帳の上にビジネスロジックを載せられるようになり、これが分散型金融 (DeFi) からデジタルアート (NFT) まで続くエコシステムの土台となりました。


📚 セウン教授の厳選ライブラリ

  • [イーサリアム、その誕生と未来] - カミラ・ルッソ: イーサリアム誕生のドラマチックな過程を描いた傑作。
  • [マスタリング・イーサリアム]: EVM と Solidity の技術的構造を理解するための決定版ガイド。
  • [イーサリアム・ホワイトペーパー]: 分散型アプリケーション・プラットフォームへのヴィタリックの遠大なビジョン。

次回は、 「トークノミクス (Tokenomics)」 — 単なるコードがいかにして経済的価値を持つ資産となるのか、その設計の原理を学びます。